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薬指の標本 / 小川洋子
薬指の標本
薬指の標本
小川 洋子

 買った頃、『博士の愛した数式』を読もうかと思っていたのだけれど、本屋に陳列されていた、同じ作者のこの本の宣伝文句(?)に『小川洋子らしい作品』みたいなことが書かれていて、この人の本読んだことないから、それならその人らしい作品から入ったほうが面白いのかな、と思い、こっちを買ってみた。薄かったし(笑)で、結局、当時何冊も本を買いだめしてあったため(悪い癖)、この本も買いだめの本の一部になり、今日まで放置プレイされていた。

 で、今日、バイトまでの電車の中で読んでしまおう、と思いつつ、電車の中で寝てしまい、帰りの電車で読んでみた。

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡…。人々が思い出の品々を持ち込む「標本室」で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは…。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。
(「BOOK」データベースより)


 こんなに薄い本なのに、しかもその薄い本の一編。冷たいような、生暖かいような、非現実なんだけど、現実にもありえそうな世界。もう、私には痛みしか感じれない作品だった。ひたすら、痛く、つらい。この屈折角度が私には合わなかったんだろうな、と。

 もう、痛くて電車の中で、できれば叫びたかった。家だったら、奇声を発していたに違いない。とくに薬指がかけるあたりは。自分の痛みには強い方なんだけど、人のササクレを見るのも痛がってしまう私には、なんだか無機質にかかれたそのシーンが、痛くて恐くて気持ち悪くて、奇声を発するのをガマンするのが大変で、電車のなかで、モジモジしてしまった(笑)首のあたりをマッサージしてみたり、座り方ちょっとかえたり。

 奇声を発するのをガマンしすぎたせいか、終わったあとは、グッタリするとともに、精神的にやられた感じの吐き気があった。

 そのような感じで吐き気を感じたのは、コレが最初じゃないな、と思わず冷静になった。そうだー、この吐き気に覚え有。なんかの映画でこうなったんだー。なんだったかなぁ。あ、ピアニストじゃん!!と、思い出せたので、吐き気解消、スッキリ。

ピアニスト
ピアニスト

2001年度のカンヌ国際映画祭でグランプリおよび最優秀主演女優賞(イザベル・ユペール)と最優秀主演男優賞(ブノワ・マジメル)を受賞したミヒャエル・ハネケ監督の話題作。ピアノ教師のエリカ(I・ユペール)は、厳格な母(アニー・ジラルド)の夢であったコンサートピアニストになることができず、マゾヒズムの世界に没頭していた。そんな折り、彼女は工学部の学生ワルター(B・マジメル)から愛を告白されるが…。
芸術にまつわるトラウマ的環境ゆえに、倒錯した日常を送る中年女性の姿を深刻に描きつつ、その奥から芸術そのものが兼ね備えるナンセンス性をも暴露していくという意欲作。ハネケ監督自身は「これはメロドラマのパロディだ」と語っている。(的田也寸志)


 この映画、辛いけど、面白いとは思うんだよね。すんごい痛いけど。何度か見て、見るたびに精神的にドゥーンと来る。一回目は、この本読んだときみたいな感覚に陥って、途中で一回やめた。その後きちんとラストまで見たけど。で、その後、きちんと通しで何度か見て、やっぱ、いい映画だと思うんだけど、自分には合わなかったなぁ。ブノワ・マジメルが異様に美しいけど。後光が見えそう(大袈裟)ってか、エロいって感じ?それに惹かれてみてただけかも(爆)何度も見ちゃうのはそのせいかしら(笑)でも、本当に合わないんだけど、惹かれる映画。

 こんなとこで、日仏に共通点が(違)!!って思ってたら、この小説、フランスで映画化されてて、日本でも公開されてるんだね。しかも結構最近公開されたんだとか。コチラ。ちょっと映画は見てみたいかも。小説を読み直す気力はないけど。たとえ、きちんと小説の内容が読み取れてないとしても。

 で、この小説も、すごいよく出来てると思う。でも、自分には、ひたすら合わなかった。もう一編の『六角形の部屋』を読む気になれない。私が何かを標本にしてもらいに、弟子丸さんとこに持って行くのなら、間違いなく、最初にこの本自身だろうなぁ…。
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